July 29, 2024

BASFグループ 2024年第2四半期:

特別項目控除前EBITDAは前年同期と同水準、2024年の見通しは変更なし

この資料はBASF本社(ドイツ)が2024年07月26日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • 化学品事業の利益貢献が拡大、一方で厳しい市場環境の中、アグロソリューション
  • 事業セグメントでは大幅減益
  • 貴金属および卑金属を除き、販売量は2.4%増加、価格への圧力は継続
  • コスト削減プログラムは順調

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2024年第2四半期の業績を発表しました。BASF 取締役会会長 Dr. マーカス・カミートは最高財務責任者(CFO)の Dr. ディルク・エルバーマンとともに発表を行い、「全体的に、2024年度第2四半期の特別項目控除前EBITDAの推移は、当社の予想およびアナリストのコンセンサスと一致しています。第1四半期に引き続き、大半の事業で販売量が好調に推移しました。価格に対する圧力は引き続きありました」と述べました。

BASFグループの売上高は161億ユーロで、前年同期(173億ユーロ)を12億ユーロ下回りました。すべての事業セグメント、とりわけサーフェステクノロジー事業セグメントでの価格下落が、今回の減収の主な要因です。為替のマイナス影響およびポートフォリオの若干の影響も減収の一因となっています。販売量は若干増加し、売上高にプラスの影響をもたらしました。インダストリアル・ソリューション事業セグメント、ケミカル事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメント、マテリアル事業セグメントでの販売量の増加は、サーフェステクノロジー事業セグメントとアグロソリューション事業セグメントでの販売量の減少を補って余りあるものでした。

減価償却費および特別項目控除前営業利益(特別項目控除前EBITDA)は20億ユーロと、前年同期と同水準でした。これは主に、インダストリアル・ソリューション事業セグメント、ケミカル事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメントにおいて貢献利益が拡大した結果、利益が大幅に増加したことによるものです。これとは対照的に、アグロソリューション事業セグメントでは、主にグルホシネートアンモニウムの販売量の減少と価格の下落により、大幅な減益となりました。マテリアル事業セグメントおよびサーフェステクノロジー事業セグメントでは、特別項目控除前EBITDAが若干減少しました。「その他」に分類される事業の特別項目控除前EBITDAは、主に賞与引当金の戻入により大幅に改善しました。特別項目控除前のEBITDAマージンは、前年同期の11.2%に対し、12.1%でした。

EBITDAは前年同期の19億ユーロに対し、16億ユーロでした。EBITDAにはマイナス3億94百万ユーロの特別項目が含まれています。特別費用は主に、米国における水溶性フィルムフォーム(AFFF)の広域係属訴訟に関連した、いかなる責任も認めない裁判外の和解のための費用、および構造改革措置によるものです。EBIT(営業利益)は5億16百万ユーロで、前年同期を4億58百万ユーロ下回りました。

2024年度第2四半期の1株当たり利益は0.48ユーロでした(前年同期は0.56ユーロ)。特別項目、および無形固定資産償却分調整後の1株当たり利益は0.93ユーロでした(前年同期は0.72ユーロ)。

2024年第2四半期および上半期のキャッシュフローの推移

営業活動によるキャッシュフローは、前年同期を2億28百万ユーロ下回り、20億ユーロとなりました。営業活動によるキャッシュフローから、土地、工場、設備および無形資産に対する支払いを差し引いたフリー・キャッシュフローは、前年同期の9億5百万ユーロに対し、2024年度第2四半期は4億71百万ユーロでした。土地、工場、設備および無形資産に対する支払額の2億7百万ユーロの増加は、主に中国の新フェアブント拠点(統合生産拠点)への投資に関連するものです。

2024年上半期の営業活動によるキャッシュフローは14億ユーロで、前年同期を2億75百万ユーロ上回りました。フリー・キャッシュフローは前年同期のマイナス9億77百万ユーロに対し、マイナス9億86百万ユーロでした。なお、BASFのフリー・キャッシュフローの推移は、アグロソリューション事業セグメントによる季節性が強いことにご留意ください。

2023年と2024年に発表されたコスト削減プログラムの状況

最高財務責任者(CFO)のDr. ディルク・エルバーマンは、現在実施中のコスト削減プログラムに関する最新情報を報告し、「2026年末までに年間21億ユーロのコスト削減を達成するという目標に向け、順調に進んでいます」と述べています。

BASFは2023年2月に発表した対策を実施しています。今年末までに、年間約8億ユーロのコスト削減と、それに伴う約5億50百万ユーロの一時費用を見込んでいます。

また、2024年2月に発表した、ルートヴィッヒスハーフェン拠点に重点を置いたプログラムも順調に進んでいます。2023年に開始したプログラムに加え、ルートヴィッヒスハーフェンでの追加対策により、2026年末までに年間約10億ユーロのコスト削減を実現する予定です。関連する一時費用は約10億ユーロとなる見込みです。

2024年第2四半期 BASF各事業セグメントの業績推移

ケミカル事業セグメントの売上高は前年同期比6.0%増の28億ユーロとなりました。特別項目控除前EBITDAは前年同期比で大幅に増加し、4億44百万ユーロとなりました。石油化学品事業本部は、主に販売量の増加により増益となりました。中国の湛江におけるフェアブント拠点(統合生産拠点)の建設に関連する固定費の増加が、同事業本部の利益の伸びを鈍化させました。化学品中間体事業本部では、とりわけ価格に関連した貢献利益の減少により、特別項目控除前EBITDAが大幅減となりましたが、固定費の若干の減少が相殺効果をもたらしました。

マテリアル事業セグメントの売上高は、前年同期比5.3%減の34億ユーロでした。特別項目控除前EBITDAは4億48百万ユーロで、前年同期をわずかに下回りました。これは主にモノマー事業本部の大幅な減益によるもので、前年同期には一過性の好影響があったためです。パフォーマンスマテリアルズ事業本部では、主に販売量の増加により、特別項目控除前EBITDAが大幅に増加しました。

インダストリアル・ソリューション事業セグメントの売上高は、前年同期比4.8%増の21億ユーロでした。特別項目控除前EBITDAは、主に両事業本部における販売量の増加と固定費の減少により、大幅増の3億20百万ユーロとなりました。特別項目控除前のEBITDAマージンは利益の伸びにより、前年同期の10.1%に対し、14.9%に拡大しました。

サーフェステクノロジー事業セグメントでは、両事業本部とも前年同期比で減収となりました。 売上高は23.4%減の32億ユーロでした。 特別項目控除前EBITDAはわずかに減少し、3億66百万ユーロでした。これは、触媒事業本部における貴金属価格の大幅な下落によるものです。電池材料事業における特別項目控除前EBITDAの増加で、この下落を相殺することはできませんでした。コーティングス事業本部では、特別項目控除前EBITDAがわずかに増加しました。同事業本部では、貢献利益の拡大により、インフレによる固定費の増加を相殺することができました。同事業セグメントの特別項目控除前のEBITDAマージンは、前年同期の8.8%に対し、11.3%となりました。

ニュートリション&ケア事業セグメントの売上高は17億ユーロで、前年同期を2.7%下回りました。特別項目控除前EBITDAは、とりわけ販売量の増加と原材料費の減少により、どちらの事業本部でも前年同期比で増加し、合わせて1億83百万ユーロとなりました。ニュートリション&ヘルス事業本部では、とりわけ定期修繕により、固定費がわずかに増加しました。利益額の推移と同様、同事業セグメントの特別項目控除前のEBITDAマージンは、前年同期の8.2%から11.0%に拡大しました。

アグロソリューション事業セグメントの2024年度第2四半期の売上高は、主に北米での減収により、前年同期比13.2%減の19億ユーロでした。主に厳しい市場環境に起因するグルホシネートアンモニウムの販売量の減少と価格の大幅な下落により、特別項目控除前EBITDAは大幅減の1億35百万ユーロとなり、特別項目控除前のEBITDAマージンも前年同期比で減少しました。

「その他 」に分類される事業の2024年度第2四半期の売上高は8.9%増の8億 70百万ユーロでした。これは主に汎用品取引における売上高の伸びによるものです。特別項目控除前EBITDAは前年同期比で大幅に改善し、62百万ユーロとなりました。これはとりわけ賞与引当金の戻入によるものです。

BASFグループの2024年の見通し

BASF Report 2023で報告した世界経済状況に関する当社予測に変更はありません。

•           GDP成長率: 2.3%

•           工業生産成長率: 2.2%

•           化学品生産成長率: 2.7%

•           ユーロ/ドル平均為替レート: 1ユーロ=1.10ドル

•           年平均ブレント原油価格:1バレル=80ドル

BASF Report 2023で報告したBASFグループの2024事業年度業績予測にも変更はありません。

•           特別項目控除前EBITDA: 80億~86億ユーロ

•           フリー・キャッシュフロー: 1億~6億ユーロ

•           二酸化炭素排出量:1,670万トン~1,770万トン

 

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2023年の BASFの売上高は689億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

 

■将来の予測に関する記述について
本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いません。

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最終更新July 29, 2024