Sustainability
TripleS: サステナビリティにおける透明性をお客様に提供
この数十年間、社会やお客様は、サステナビリティに貢献する事業に対して大きな責任を持ち取り組んできました。当社は、このような期待の高まりを理解し、さらなる発展とリスクの最小化のために、このような機会を活用することに努めています。
目的
お客様は、BASFにこれまで通りの一貫した高品質かつ持続可能なソリューションを求めています。それと同時に、ビジネスの収益性に妥協することなく、環境的および社会的責任を果たし持続可能なソリューションを開発するという、サステナビリティの3つのパラメーターを念頭に置きながら、持続可能な将来に取り組んでいます。そのため、BASFは「We create chemistry for a sustainable future - 私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」という企業目的(パーパス)にサステナビリティを組み込んでおり、以下のような様々なビジネス要因に直結しています。
- 持続可能なソリューションの提供に対するお客様の需要の高まり
- すべてのバリューチェーンにおけるサステナビリティに関する新たな規制、基準、コミットメント
- 社会や事業環境の変化によって高まる、持続可能な製品への需要
こうしたことから、私たちはより持続可能なソリューションの創造と促進を、お客様と協力して取り組みたいと考えています。これは、事業の観点から見れば、双方に資するものです。
TripleSの概要
- BASFで10年以上にわたり確立されている手法
- 世界中で約45,000のソリューションを分析
- 約80の事業部門と数千人の専門家が関与
- 各製品は産業の用途に応じて、5つあるTriple Sセグメントに分類可能
- 2024年2月の年間報告書で、新しいKPIの数値を発表予定
当社の取り組み
「Sustainable-Future Solutions(持続可能な将来のソリューション)」の定義は環境、社会、そして経済という、サステナビリティに関する3つの側面を基盤にしています。私たちは責任を持って調達および生産を行いながら、創造的な精神を結びつけることで持続可能なソリューションを生み出すことに全力で取り組んでいます。
2021年には、アクセラレーター製品の売上高が241億ユーロ(2020年は167億ユーロ)に達しており、私たちが同製品において2025年までの目標としていた売上高の220億ユーロをすでに達成しています。
今回の更新によって、BASFは気候変動とエネルギー、資源効率、循環経済などのカーボンマネジメントに関連する変革テーマの開発を促進します。環境規制当局に従ったプロセスの実現と適応によって、全体的な評価プロセスが向上します。私たちは、規制の影響を受ける可能性の高いソリューションを早期に特定し、ネガティブな市場認識を回避するようにしています。
取り組みの方法
- サステナビリティの基本要件:私たちは、製品ポートフォリオの早期警告指標となる、物質的なサステナビリティの欠如を特定します。それぞれの用途および地域の各ソリューションは、コーポレートの最小要件およびステークホルダー固有の基準に基づいて評価されます。これにはBASFの行動規範を網羅しています。具体的な例としては、ライフサイクル全体の化学物質の危険性と暴露、バリューチェーンに沿った予想しうる規制動向とサステナビリティへの取り組み、そして企業評価に対するリスクがあります。
- サステナビリティバリュー貢献:サステナビリティの基本要件をクリアした後は、論争の的になっている事業分野であるかどうかと、定義された9つのサステナビリティカテゴリーのいずれかへの貢献度がチェックされます。その後、持続可能な将来への貢献に関するあらゆる関連要素が分析され、文書化されます。当社のパイオニアおよびコントリビューター製品は、持続可能な将来に向けたソリューションとして、それぞれの用途において最適な製品です。
TripleS ポートフォリオセグメント
当社製品ポートフォリオは、この2段階プロセスによって5つのTripleS製品分類(パイオニア、コントリビューター、スタンダード、モニター、チャレンジ)に分けられます。これら5つのTripleS製品分類は、サステナビリティに大きく貢献するソリューションから、市場基準に沿ったパフォーマンスを発揮するソリューション、そしてサステナビリティの基準に満たない著しく懸念があるソリューションに至るまで、サステナビリティパフォーマンスの全範囲を網羅しています。BASFの目標は2023年末までに、パイオニアおよびコントリビューター製品の売上高を表す新しいKPIである「Sustainable-Future Solutions(持続可能な将来のソリューション)」を定義するのに十分な製品を新手法で分類し、完了させることです。
最新の評価手法TripleSにより、私たちは変革的なテーマを評価プロセスにさらに深く統合し、BASFポートフォリオのカーボンマネジメントへの貢献に関する透明性を向上させています。これらの変革的テーマには、バリューチェーン全体における気候変動やエネルギー削減・緩和への貢献、当社製品を通じた循環性の促進、生産プロセスおよびバリューチェーンにおける資源使用の削減などが含まれています。
さらに、化学産業に対する今後の法的要件も評価において考慮されます。これには持続可能な化学物質戦略(Chemical’s Strategy for Sustainability :CSS)によって導入された欧州の動向や、環境、健康、安全規制に関連する新しい国際プロトコルが含まれています。欧州の化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則(REACH)や、米国の有害物質規制法(TSCA)などの規制の更新は、新しい手法に直接統合されています。
今回の更新では、欧州委員会による「安全で持続可能な設計(Safe and Sustainable-by-Design :SSbD)」枠組みで策定された要件も考慮し、TripleS評価を当社研究開発プロジェクトのパイプラインの評価にさらに深く統合しました。さらに、TripleSは化学業界で広く適用されている、持続可能な開発のための経済人会議(WBCSD)のポートフォリオ・サステナビリティ・アセスメント(PSA)手法にも、引き続き準拠しています。