Business & Financial News | March 4, 2025

BASF、コア事業の好調により、2024年は特別項目控除前EBITDAが増加

 この資料はBASF本社(ドイツ)が2025年2月28日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
 

  • 特別項目控除前EBITDAはコア事業において前年比18%増、スタンドアローン事業では13%減 

  • 純利益は前年を大幅に上回る13億ユーロ(2023年は2億ユーロ) 

  • 2024年は1株当たり2.25ユーロの配当を提案 

2025年の見通し:

  • 特別項目控除前EBITDAは80億~84億ユーロを見込む(2024年は79億ユーロ) 

  • フリー・キャッシュフローは4億~8億ユーロとなる見通し(2024年は7億ユーロ) 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2024 年度の業績を発表しました。厳しい市場環境の中、BASF グループの特別項目控除前EBITDA (減価償却費および特別項目控除前営業利益)は、2024 年通年で79 億ユーロに達しました。 BASF 取締役会会長 Dr. マーカス・カミートは最高財務責任者(CFO)の Dr. ディルク・エルバーマンとともに2024 年度の事業推移の詳細を報告し、「特別項目控除前EBITDA が前年比で18%増となったコア事業の好調により、業績は順調に推移しました」と述べました。BASF グループの特別項目控除前EBITDA は、全体で2%増加しました。コア事業では主に販売量の増加により、特別項目控除前EBITDA が大幅増となりましたが、スタンドアローン事業での減益により、これが一部相殺されました。アグロソリューション事業セグメントでは、主にグルホシネートアンモニウム事業の業況により、特別項目控除前EBITDA が大幅に減少しました。触媒事業本部における貴金属価格の急落および販売量の減少が、サーフェステクノロジー事業セグメントにおける若干の減益につながりました。BASF グループの特別項目控除前EBITDAマージンは、前年の11.1%に対し、12.0%でした。貴金属および卑金属からの収益を除いたBASF グループの特別項目控除前EBITDA マージンは、前年の12.6%から13.1%に拡大しました。


2024年度の業績

2024年度の売上高は 前年度の689億ユーロに対し、653億ユーロでした。コア事業における販売量の大幅増に加え、アグロソリューション事業セグメントの販売量も若干増加したため、自動車産業の低迷によるサーフェステクノロジー事業セグメントの販売量の減少を補って余りある結果となりました。しかしながら、全事業セグメントにおいて競争による価格下落が発生したため、全体としては減収となりました。とりわけ、サーフェステクノロジー事業セグメントにおける貴金属価格の下落が顕著でした。為替のマイナス効果も売上高をさらに押し下げました。

EBITDAは前年の72億ユーロに対し、67億ユーロでした。EBIT(営業利益)は 前年比2億6百万ユーロ減の20億ユーロでした。減価償却費は46億ユーロでした(2023年は49億ユーロ)。これには、主にサーフェステクノロジー事業セグメントの電池材料事業に関連する7億2百万ユーロの減損が含まれています。前年のEBITには総額約11億ユーロの減損が含まれていました。

純利益は前年の2億25百万ユーロに対し、13億ユーロとなりました。持ち株からの純利益は7億98百万ユーロ増の5億98百万ユーロでした。これには主に、持分法を適用した非連結会社の利益改善が寄与しました。これは、とりわけHarbour EnergyへのWintershall Dea資産の売却に関連する、3億90百万ユーロの処分益によるものです。

BASFグループの2024年のキャッシュフロー

2024年度の営業活動によるキャッシュフローは 前年比12億ユーロ減の69億ユーロでした。減少の主な原因は、正味運転資本からの現金回収が14億ユーロ減少したことです。
投資活動によるキャッシュフローは 、2023年度のマイナス50億ユーロに続き、2024年度はマイナス51億ユーロとなりました。無形資産および土地、工場、設備に対する支払いは8億3百万ユーロ増の62億ユーロでした。これは主に中国南部のフェアブント(統合生産拠点)の建設に関連して発生したものです。「投資は日程通り、予算内で進んでいます。全体として、当初予想の65億ユーロを3億ユーロ下回りました」とエルバーマンは述べています。

財務活動によるキャッシュフローは 前年のマイナス29億ユーロに対し、マイナス15億ユーロでした。金融負債および同様の負債の返済および新規借入が減少し、それらの借入純額の変動が財務活動によるキャッシュフローの全体的な改善につながりました。

営業活動によるキャッシュフローから、土地、工場、設備および無形資産に対する支払いを差し引いたフリー・キャッシュフローは前年の27億ユーロに対し、7億48百万ユーロでした。

1株当たり2.25ユーロの配当を提案

BASFは新たな戦略の一環として、引き続き魅力的な配当利回りを株主の皆様に提供します。中期的には、配当と自社株買いの組み合わせにより、株主の皆様への利益分配総額を少なくとも前年水準に維持することを約束します。BASFは、2025年から2028年までに少なくとも120億ユーロを株主の皆様に分配するという目標を掲げています。具体的には、年間1株当たり最低2.25ユーロの配当、または年間約20億ユーロの利益をBASFの株主の皆様へ分配することを目指しています。そのため、2024年度は1株当たり2.25ユーロの配当を提案します。

コスト削減プログラムの状況

エルバーマンはコスト削減プログラムの実施状況について、次のように述べています。「2026年末までに年間21億ユーロのコスト削減を達成するという目標に向けて、順調に進んでいます。2024年末までに、すでに年間総額約10億ユーロのコスト削減(ランレート)を達成しており、そのうち約1億ユーロは2024年2月に発表したルートヴィッヒスハーフェンのコスト改善プログラムに関連するものです。」BASFは、2024年末までのコスト削減プログラムの実施に関連して、累積で約9億ユーロの一時費用を負担しました。 この額は、BASFが2026年末までに想定している一時費用の約半分にあたります。BASFは2026年末までにすべてのプログラムを完了することを目指しており、年間ベースで削減額の全額を享受していくことになります。

BASFグループの2025年の見通し

BASFグループの特別項目控除前 EBITDAは2025年、80億~84億ユーロに達する見込みです(2024年は79億ユーロ)。ケミカル事業セグメントを除く全事業セグメントが、増益に寄与する見通しです。とりわけ石油化学品事業本部の利益は、中国の新しいフェアブント(統合生産拠点)の立ち上げや、定期修繕に関連する固定費の増加による影響を受けるでしょう。

BASFグループのフリー・キャッシュフローは 、4億~8億ユーロになると予測しています(2024年は7億ユーロ)。これは、営業活動によるキャッシュフローの予想額56億~60億ユーロから、土地、工場、設備および無形資産に対する支払予想額の52億ユーロを差し引いたものです。

CO2排出量は、2025年には1,670万トン~1,770万トンになる見込みです(2024年は1,700万トン)。需要増に基づく生産量の増加により、前年度よりもCO2排出量が増加することが予想されます。BASFは、エネルギー効率の向上やプロセスの最適化、再生可能エネルギー由来の電力への移行の継続など、排出量削減にターゲットを絞った対策によってCO2排出量の増加に対応していきます。
 

  
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

   
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。私たちは、持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、お客様のグリーントランスフォーメーションを可能にする、選ばれる化学会社になるという意欲的な目標を掲げています。全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、コア事業の事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、ニュートリション&ケア)、スタンドアローン事業の事業セグメント(サーフェステクノロジー、アグロソリューション)から成ります。2024年のBASFの売上高は653億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、 https://www.basf.com/global/en.html をご覧ください。

 

  

■将来の予測に関する記述について
本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いません。

Annual Press Conference for the full year 2024, Dr. Markus Kamieth, Chairman of the Board of Executive Directors (left), Dr. Dirk Elvermann, Chief Financial Officer (right). 
Photo: BASF SE
写真左から:BASF 取締役会会長 Dr. マーカス・カミート、最高財務責任者ディルク・エルバーマン(写真BASF SE )
 
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最終更新March 4, 2025