June 18, 2024

業界初:BASF、バイオマスバランスecoflex® (PBAT)の投入により、新しい価値を付加

この資料はBASF本社(ドイツ)が2024年6月7日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
 
  • 新しいecoflex® F Blend C1200 BMBは、通常のecoflex®グレードに比べ、プロダクトカーボンフットプリントを60%削減
  • 化石由来原料を廃棄物由来の再生可能な代替原料に置き換え、認証されたバイオマスバランス (BMB)アプローチにより製品に割り当て
  • ドロップインソリューション:ecoflex® BMBは通常のecoflex®グレードと同じ特性、性能、機械加工性、および生分解性認証を保有
  • バイオマスバランスecoflex®は、包装資材業界における再生可能原料の利用拡大に貢献

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は包装資材業界に再生可能資源の使用を拡大する新たな方法を提供します。バイオポリマーの配合材として幅広く使われているポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)に、バイオマスバランスecoflex®(ecoflex® BMB)を投入することで、生分解性(堆肥化可能)ポリマーの製品ポートフォリオを拡大します。新しいecoflex® F Blend C1200 BMBでは、製造工程で通常使用される化石資源を、バリューチェーンの初期段階で再生可能資源に置き換えています。再生可能な原料は廃棄物やバイオマス残渣に由来し、REDcert2とISCC PLUS*1に従って認証されたマスバランスアプローチによってecoflex®グレード製品に割り当てられます。バイオマスバランスのecoflex®は、化石資源の使用削減に貢献するだけでなく、通常のecoflex® F Blend C1200と比較して、プロダクトカーボンフットプリント (PCF)*2 も60%削減します。

コンポスト袋などPBATをベースとした堆肥化可能な製品は、有機廃棄物を回収し、リサイクルをしやすくすることで、循環型経済の構築に貢献します。しかし、PBATの生産において、化石資源の使用を完全に回避することは現時点では不可能です。そこで、ecoflex® BMBの投入により、BASFはこのギャップを埋め、使用後に有機的にリサイクルできるソリューションを提供します。さらに、その化石資源は、製造プロセスの初期段階で再生可能な原料に完全に置き換えられています。こうしてBASFは、循環型経済の生物学的ループを閉じるための新たな一歩を踏み出しました。

ecoflex® BMBにより、包装資材業界のお客様は、性能と品質を犠牲にすることなく、また新たな生産設備への追加投資を必要とすることなく、化石資源の消費量削減に貢献し、製品の差別化を図ることができます。ecoflex® BMBは、特性、品質、認証において従来のグレードと同じです。そのため、お客様はecoflex® BMBを使用した製品の再評価、配合の調整、既存の製造工程の調整を行う必要はありません。お客様は、慣れ親しんだ従来品と同じ性能を期待することができ、ドロップインソリューションの恩恵を受けることができます。

「バイオポリマーのパイオニアとして、私たちは再生可能な資源を用いた循環型経済への移行においてお客様をサポートする努力を続けています」と、BASFのバイオポリマー・グローバル事業責任者であるマーセル・フィリップ・バースは述べています。「当社のecoflex® BMBは、世界のバイオポリマー市場において業界初の製品であり、化石資源の使用量を削減し、温室効果ガスの排出量を減少させ、有機廃棄物や残留バイオマスから得られる再生可能な原料の使用を促進することで、包装資材業界における持続可能性への取り組みを推進しています。このように、私たちはお客様が十分な情報を得た上で製品設計できるように支援し、より循環型の包装資材バリューチェーンを形成していきます。」

 

バイオマスバランス・アプローチ

バイオマスバランス・アプローチでは、製造工程の最初の段階で、化石資源の一部を廃棄物由来の再生可能資源に置き換えます。そして、再生可能資源量は、第三者認証の方法によって、製造工程の最終段階で特定の製品に割り当てられます。BASFは、使用する再生可能な原料から最終製品に至るまでの加工・流通管理を確立しています。独立した第三者認証により、BASFはREDcert2およびISCC PLUSの要件に従って、顧客が購入する製品において必要な量の化石資源を再生可能な資源に置き換え可能になります。

 

ecoflex® – BASFのパイオニア

ecoflex®は1998年以来、生分解性があり、堆肥化可能であることが認証されたバイオポリマーとして初めて市場で発売された製品です。ecoflex®をベースとしたバイオポリマーのイノベーションは、使用済みのプラスチック製品に新たな選択肢をもたらし、有機物のリサイクルを可能にすることで、循環型経済に貢献しています。ブレンドパートナーとして、ecoflex®は、BASFの堆肥化可能認定を受けたコンパウンド品であるecovio®に、柔軟性や強靭性といった特殊な材料特性を与えています。ecovio®の利点は、生産、梱包、食品の品質保持期限だけでなく、食品廃棄物の収集においても有効であることが、研究により実証されています。このような利点は、商業用および家庭用堆肥化設備や農地における生分解性に関する認証など、材料の特性に基づいています。ecoflex®とecovio®は、食品廃棄物の回収をしやすくすることで食品廃棄物を減らし、高品質の堆肥として土壌に栄養分を還元します。これが、有機資源のリサイクルによる栄養分の継続的な循環につながり、循環型経済に貢献します。

 

詳細情報:

www.ecoflex.basf.com

www.basf.com/massbalance

 

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、プラスチックに求められる持続可能性への変革の最前線にいます。BASFの製品は、トランスポーテーション、消費財、インダストリアルアプリケーション、建築・建設という4つの主要産業分野にイノベーションをもたらすため、世界中のお客様と共同で開発をすすめています。私たちの研究開発は、プラスチックに関するすべての工程(プラスチックジャーニー)であるMAKE(製造)、USE(使用)、RECYCLE(リサイクル)に焦点を当てています。製造段階では、製品の設計から原材料の選択、製造工程に至るまで、プラスチックの製造方法を改善します。使用段階では、軽量性、堅牢性、耐熱性といったプラスチックの強みを強化します。製品のライフサイクルの終段には、循環型経済を実現するためにどのようにプラスチックジャーニーを終了させるかを検討する「リサイクル」段階があります。2023年、パフォーマンスマテリアルズ部門の世界売上高は72億ユーロを達成しました。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2023年の BASFの売上高は689億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

 

(*1 REDcert2およびISCC PLUSは、化学工業における持続可能なバイオマスの資源利用のための持続可能性認証スキームになります。これらの認証スキームに基づく認証は、使用されるバイオマスが持続可能であり、必要な量が生産システムに投入されていることを確認するものです。また、持続可能なバイオマスが、対応する販売製品に正しく割り当てしていることも確認します。認証は、独立した監査員による現地監査に基づき付与されます。

(*2 BASFの従来型製品のプロダクトカーボンフットプリント (PCF)計算は、ISO 14067:2018の要件とガイダンスに従っています。TÜV Rheinlandの手法により、BASF SEが開発し使用しているSCOTT PCF方法論が科学的証拠に基づいており、ISO 14067:2018およびTogether for Sustainability PCFポリシーに適合し、最新の技術を反映していることが認証されました (ID番号0000080389: BASF SE – Certipedia)。さらに、TÜV Rheinlandにより、バイオマスバランス (BMB) PCF計算方法およびBMB認証製品の関連PCF削減量が、ISO 14067およびTogether for Sustainability (TfS)ポリシーに準拠した従来のLCA手法に従っていることも確認されています。

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最終更新June 18, 2024