Business & Financial News | December 20, 2023

BASF、企業戦略の実施に関する最新情報およびスコープ3.1のCO2排出量目標への取り組みを発表

この資料はBASF本社(ドイツ)が2023年12月7日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
 
  • 差別化経営の概要と新たな財務指標を発表
  • 特定のスコープ3.1排出量を2030年までに2022年比で15%削減、2050年までにネットゼロ(実質ゼロ)の目標を設定

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、ネットゼロへさらに前進するために、スコープ3.1の排出量目標を発表しました。この発表は、ドイツのルートヴィッヒスハーフェンで開催された投資家およびアナリストへ向けた報告会にて行われ、BASF取締役会会長Dr.マーティン・ブルーダーミュラーと、最高財務責任者(CFO)であるDr.ディルク・エルバーマンが、2018年に発表した企業戦略の実施状況について報告しました。ブルーダーミュラーとエルバーマンは、この企業戦略で定めたキャッシュの活用における優先順位付けをBASFがどのように実現しているかを説明し、さらに収益性を高めるための事業経営に向けて、差別化された新たな方針も提示しました。

優先順位をつけたキャッシュ活用

BASFの企業戦略は、有機的成長を軸にしています。2018年から2022年まで、当社は支出の約60%を設備投資と研究開発に割り当てました。

ブルーダーミュラーは、BASFの取締役会にとって、株主への利益還元と魅力的な配当が重要であることを強調し、次のように述べました。「BASFは過去5年で3回増配を行なっています。また2020年と2022年にはそれぞれ、厳しい事業環境のため、配当を前年と同水準に据え置きました。」2018年以降の配当総額は158億ユーロに達し、平均配当利回りは年間5.6%です。この10年におよぶBASFの魅力的な配当金は、BASFの強力なキャッシュ創出に支えられてきました。2013年から2022年までの営業活動による平均キャッシュフローは年間77億ユーロ、平均フリーキャッシュフローは年間34億ユーロに達しています。

継続的なポートフォリオ管理を通じて、BASFはそのポートフォリオを革新的な成長事業に集中させてきました。過去5年間で、当社は売上高50億ユーロの事業を売却し、売上高40億ユーロの事業を買収しました。

さらなる収益性のため、事業経営を差別化

2018年に発表した戦略において、顧客のニーズをより実現するため、BASFが顧客重視の組織へと変革することは重要な要素となっています。それ以来、BASFは各事業の経営能力を高めるために、様々な施策を講じてきました。

「私たちは現在、新たな一歩を踏み出し、個々の事業経営を調整することでBASF全体の競争力をさらに高めることを目指しています。私たちは、より差別化した個々の事業経営から得る利点と、フェアブント(統合生産拠点)および統合企業としての体制による利点を組み合わせています」と、エルバーマンは述べています。

この差別化経営によって、各事業はそれぞれのビジネスモデルとプロセスをさらに最適化することになります。これは、適応したプロセス構造、ITシステム、ガバナンスの枠組みによってサポートされます。フェアブントへの統合がそれほど深くない事業は、統合企業の利点を維持しながら特定の顧客産業のニーズを満たすための柔軟性を確保できます。この方針が適用されるのは、サーフェステクノロジー事業セグメントの電池材料およびコーティングス事業、またアグロソリューション事業セグメントです。

BASFは今後もバリューチェーンに沿ってフェアブント事業(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、ニュートリション&ケアから構成)を管理し、効率的な資源の活用、需要の集約や、同期および統合された生産を通じて価値を生み出していきます。将来的には、製品のカーボンフットプリント、バイオマスやリサイクル材の使用といったサステナビリティに関する要素を製品に付加するため、バリューチェーン管理はより重要となります。

BASFは2024年1月より、グループの経営に用いる主要業績評価指標(KPI)を変更します。短期・中期的には、減価償却費および特別項目控除前営業利益(特別項目控除前EBITDA)やキャッシュフローをより重視します。また、中期的な経営KPIとして、引き続きROCEを使用し、資産の収益性を重視します。

この差別化経営により、BASFは事業部門にも新しいKPIを導入します。単一産業に特化した事業は、産業固有のKPIで更に綿密に管理します。一方でフェアブントに深く統合された事業に関しては、バリューチェーンに沿って管理します。

BASFは、全ての事業におけるキャッシュの創出に重点をおきます。さらに、以下の減価償却費および特別項目控除前営業利益率を目標とします:

  • フェアブント事業 : サイクル全体で17%
  • 電池材料事業: 2030年までに30%以上(金属を除く)
  • コーティングス事業:中期的に15%以上
  • アグロソリューション事業:中期的に23%以上

これらの経営方針の変更に伴い、BASFは外部報告書や将来予測も変更する予定です。2024年2月23日に公開予定のBASFレポート2023では、BASFは売上高、特別項目控除前営業利益、投下資本利益率(ROCE)の見通しを示すのではなく、グループレベルでの減価償却費および特別項目控除前営業利益(特別項目控除前EBITDA)とフリーキャッシュフローを予測します。また、セグメントレベルでは、減価償却費および特別項目控除前営業利益およびキャッシュフローの見通しも提供する予定です。

ネットゼロ達成に向けて新たな一歩を踏み出す

BASFは、2018年の戦略におけるクライメート・ニュートラル(気候中立)な成長を確保するという当初の目標を元に、クライメート・ニュートラルに向けた取り組みの進捗状況を、投資家代表などに提示しました。2021年3月、私たちはこの目標をさらに高め、スコープ1、2の排出量について「2030年までに2018年比で25%の削減、2050年までに実質ゼロ」という削減目標を設定しました。これらの目標を達成するために、BASFは再生可能エネルギーと炭素削減技術の活用に焦点を当てています。

購入した原材料に関連する排出量は、信頼できる一次データの取得が進んだことから、BASFはスコープ3.1排出量の削減目標を設定するために、強固な基盤が十分に整っていると確信しています。2030年までに、BASFはポートフォリオ全体のスコープ3.1排出量を2022年比で15%削減することを目指します。即ち、購入した原材料1kgあたりのCO2排出量を1.57kg から1.34kgに削減します。

ブルーダーミュラーは次のように述べています。「私たちは、販売製品の製品カーボンフットプリントを改善することを重視しているため、具体的な目標を定めました。製品カーボンフットプリントの取り組みにおいて販売されたBASF製品1キロあたりのCO2排出量をキロ単位で計算します。私たちの短期・長期目標や取り組みは明確です。BASFは、お客様とサプライヤーの両者と協力し、コスト効率がよく、環境にも優しい、実用的なソリューションを見つけていきます。そして、私たちは、2050年までにスコープ3.1の排出量を実質ゼロにすることに取り組んでいきます。」

投資家向けの最新情報に関する詳細はこちらをご覧ください。
www.basf.com/investor-update (英語)

 

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

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