October 30, 2022

Go!Create - 廃タイヤからドアハンドルへ: 熱分解油とバイオメタンによってマスバランス方式のプラスチックの製造が可能に

この資料は BASF本社(ドイツ)が 2022年10月12日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • BASF、メルセデス・ベンツ、Pyrum Innovations AG、WITTE Automotive、マスバランス・アプローチで化石原料を代替し、材料の資源循環に成功
  • メルセデス・ベンツの様々なモデルに実装:熱分解油とバイオメタンを使用した

マスバランス方式のプラスチックで自動車部品を製造

  • 開発パートナー企業がK 2022でプラスチック・ジャーニーの事例を紹介

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)、メルセデス・ベンツ(本社:ドイツシュトゥットガルト)、Pyrum Innovations AG(本社:ドイツ ディリンゲン/ザール、以下Pyrum)、WITTE Automotive(本社: ドイツ フェルバート、以下WITTE)は材料の資源を循環させて、マスバランス方式のプラスチックから自動車部品を製造することに成功しました。廃タイヤ由来の熱分解油や有機廃棄物から生成したバイオメタンは、化石原料の代替として、バージン材同等の特性を持つプラスチックを製造することができます。

マスバランス方式のUltramid®(ウルトラミッド)を使用したドアハンドルを今年から連続生産へ

BASFは、メルセデス・ベンツの一部モデルのドアハンドル用プラスチックを製造するため、Pyrumで廃タイヤから生成した熱分解油と、農業廃棄物および食品残渣からのバイオメタンを代替原料として、マスバランス方式で組み合わせました。その結果生まれた30%ガラス繊維強化のUltramid® ポリアミド6は最高品質のプラスチックと同じ特性を備えており、要求の厳しい自動車部品に理想的な材料となっています。

効率的なサーキュラーエコノミー(循環型経済)に沿って、今年はメルセデス・ベンツS クラスとEQEのドアハンドルにマスバランス方式の製品が採用される予定です。BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントであるDr. マーティン・ユングは、次のように述べています。「こうしたソリューションは、お客様がサステナビリティ目標を達成するのに役立ちます。それが当社のGo!Createのアプローチです。私たちはすべてのお客様とパートナー企業の皆様とともに、プラスチックによるサーキュラーエコノミーへの道のりを作っていきたいと考えています。メルセデス・ベンツのドアハンドルによって、そのことを実例として示すことができました。」

REDcert2スキームに従った独立認証により、最終製品の化石原料の代替として必要な、熱分解油とバイオメタンの量が認証されます。これらの認証済みの原材料がBASFの生産ネットワークに投入され、マスバランス・アプローチにより数学的にプラスチックに割り当てられ、BASFのお客様であるWITTE に届けられます。自動車部品メーカーでのドアハンドルの生産も、REDcert2基準に基づき、同様の方法で外部監査が行われます。

また、共同開発ソリューションのアプローチは、メルセデス・ベンツSクラス用のクラッシュアブソーバーにも転用される予定です。車両のフロントエンドの部品として、クラッシュアブソーバーは前面衝突の際に相手車両に作用する力を均一に減少させる役割を担っています。ここでも、BASFの熱分解油とバイオメタンをベースにしたマスバランス方式のプラスチック化合物が、メルセデス・ベンツの高い品質要件、特に衝突安全性に関する要件を満たしています。

プラスチック廃棄物から新しい製品へ

プラスチックの製造、使用、リサイクルを改善することで、関係企業はそれぞれのサステナビリティ目標に一歩近づくことができます。今回のプロジェクトのパートナー企業は、共同開発したソリューションが評価され、10月5日にベルリンで開催された2022 MATERIALICA Design + Technology Awardsのマテリアル部門の受賞者に選ばれました。審査員たちは、サステナビリティに取り組むためには、バリューチェーンに沿った連携が不可欠であることを強調しました。

BASFはサーキュラーエコノミーを重視

BASFのChemCycling™(ケミサイクリング)プロジェクトは、技術的、経済的、生態学的な理由からマテリアルリサイクルが行われないプラスチック廃棄物を対象としています。マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルを併用することで、リサイクル率を向上させて、プラスチックのサーキュラーエコノミーを強化することができます。リサイクル原料もバイオベース原料も、生産過程において化石原料の代わりに使用できるため、CO2排出量の削減に貢献します。独立した第三者が監査したマスバランス・アプローチによって、リサイクル原料やバイオベース原料の割合が、フェアブントで製造される製品に割り当てられます。これらの製品は独立機関によって認証済みであり、化石原料がベースの製品と同じ特性を備えており、お客様は要求の厳しい用途でも同じように加工・使用することができます。

BASF、国際プラスチック・ゴム産業展 「K 2022」 でサステナブルなプラスチック産業向けのソリューションを紹介

今回のパートナーシップによるアプローチは、ドイツのデュッセルドルフで開催されたK 2022において、この発展的アプローチに関する展示とともに、専門家による講演で紹介しました。双方向のタッチスクリーンアプリによって、完全な材料サイクルと潜在的な節約を展示しました。K 2022において、BASFは「Go!Create - Welcome to #OurPlasticsJourney」をモットーに、よりサステナブルなプラスチック産業の実現に向けた当社の歩み、プラスチック・ジャーニーを紹介しました。プラスチック・ジャーニーは、プラスチックのMAKE(製造) - USE(使用) - RECYCLE(リサイクル)というライフサイクルの3つの段階で構成されています。BASFはK 2022において、すべてのお客様とパートナー企業の皆様に対し、プラスチックの製造、使用、リサイクルを改善するためのジャーニーに参加して、ご協力いただくように呼びかけました。

BASFのマスバランス・アプローチの詳細については、こちらをご覧ください。

https://www.basf.com/global/en/who-we-are/sustainability/we-drive-sustainable-solutions/circular-economy/mass-balance-approach.html

メルセデス・ベンツにおけるサステナブル材料の使用に関する詳細については、こちらをご覧ください。

https://group.mercedes-benz.com/sustainability/resources/sustainable-materials.html

Pyrumの詳細については、こちらをご覧ください。

https://www.pyrum.net/en/for-a-cleaner-world-start/

WITTEの詳細については、こちらをご覧ください。

https://www.witte-automotive.com/

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて 

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2021年のBASFの売上高は786億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。
 

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今回のプロジェクトのパートナー企業は、共同開発したソリューションが評価され、10月5日にベルリンで開催された2022 MATERIALICA Design + Technology Awardsのマテリアル部門の受賞者に選ばれました
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最終更新October 30, 2022