July 2, 2019

Tinuvin® 360(チヌビン® 360)が、5G基地局を紫外線から保護

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2019年6月25日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
 
  • Tinuvin® 360(チヌビン® 360)は屋外の5G基地局の耐用年数を延長
  • 低揮発性が安定生産を実現し、歩留まりが向上

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のTinuvin® 360は、中国の通信機器・電子・電気機器メーカーのShenzhen Xingshengdi New Materials社(深圳市兴盛迪新材料有限公司)が手掛ける主要な国際通信会社の5G基地局の製造に用いられています。Tinuvin® 360を使用することで、屋外に設置された5G基地局は強い太陽光による風化や劣化にも耐えられるため、長期にわたって安定したサービスを維持することができます。

モバイル端末とコアネットワークとの間の通信を中継するために電波を使用する基地局は、通常、建物の外に設置されます。基地局は一般的にはポリカーボネート製で、太陽光に当たるとさまざまな分解反応を起こすため、光安定化が必要です。

Tinuvin 360は、ポリカーボネート樹脂の製造段階で添加され、高濃度での良好な相溶性、加工温度での低揮発性および耐候性が要求されます。低揮発性により、金型への微小成分(目ヤニ)の蓄積が減少し、より長い稼働時間が可能となります。その結果、より安定した加工および生産時間とメンテナンスコストの削減を可能にします。

またTinuvin 360は、最終的な電子ケーシングにおいて紫外線の高カット性能を実現するとともに、紫外線を吸収し、過剰なエネルギーを熱として放出します。Tinuvin 360は、皮膚を紫外線から保護する日焼け止め製品の添加剤に似ています。

BASFのアジア太平洋地域のパフォーマンスケミカルズ事業本部担当シニア・バイスプレジデントを務めるハーマン・アルトフは、「Tinuvin 360は、生産プロセスを最適化することで価値を創出し、それにより生産性と収益性の向上に寄与します。また、高い機械的強度と耐候性を実現できるように設計された、カスタム処方のプラスチック器具の製造にも役立ちます」と述べています。

Shenzhen Xingshengdi New Materials社のゼネラル・マネジャーのデトゥ・スー氏は、「従来、このような屋外基地局は金属製でした。これらを小型軽量プラスチックにすることで、さまざまな商用アプリケーションのサイズ、重量、および電力性能が向上し、競争力のある価格でシステム性能を最適化できます」と述べています。

BASFは、研究所において紫外線放射に対するプラスチックの安定化のための徹底した研究を行っています。用途試験は、化学者がプラスチックの分解メカニズムを研究するため、特別な設備が整った実験室とアプリケーションセンターで行われます。このプロセスで得られた知見は、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)および紫外線吸収剤の開発にも直接活かされています。

Tinuvin 360は、ISO 4892-2:2013の要件に準拠した促進耐候性試験装置の模擬環境条件下で試験されています。この国際規格は、ポリマーが実際の最終用途の環境で太陽光にさらされた時に生じる耐候性の影響(温度と湿度)を再現するために、水分の存在下で試料をキセノンアーク光に曝露する方法を規定しています。促進耐候性試験から得られたデータに基づいて、さまざまな用途での使用が想定されるポリマーの耐久性を評価します。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFのプラスチック添加剤について

BASFはプラスチック添加剤を製造するリーディングサプライヤーであり、この分野におけるイノベーションパートナーでもあります。BASFの包括的かつ革新的な製品ポートフォリオには、各種ポリマーおよび成形品、フィルム、繊維、シート、押出成形品などの用途において加工安定性、耐熱性、耐光性を向上する安定剤などがあります。プラスチック添加剤に関する詳細につきましては、http://www.plasticadditives.basf.com をご覧ください。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018年のBASFの売上高は約630億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。

最終更新July 2, 2019