June 4, 2015

BASF、イノベーションを促進し、起業家精神を高める宇宙農業研究プロジェクトを支援

(本資料は 2015 年5月26日にBASF本社(ドイツ)で発表されたプレスリリースの和訳です。)

  • BASF、微小重力条件下で作物を育てる学生に協力
  • 2015年12月に国際宇宙ステーション(ISS)へ打ち上げ予定
  • ドイツの学生によるプロジェクトが、初めてNASAの教育プログラムに採用

地球から約320キロ離れた宇宙ステーションで、品質の良い野菜を大量生産することは可能でしょうか?この質問に答えるため、ドイツのラーフェンスブルクにあるエーディト・シュタイン・スクールの農業プログラムに参加している3人の学生(12年生:日本の高校3年生に相当)が、宇宙の微小重力状態で作物栽培を課題とした研究プロジェクトを立ち上げました。この研究プロジェクトは2015年末に国際宇宙ステーション(ISS)への打ち上げが予定されており、BASFが科学面、資金面での支援を行います。

BASF農業関連製品部門の研究開発担当シニア・バイスプレジデントであるDr. ハラルド・ラングは次のように述べています。「このプロジェクトのこと、そして画期的なアイデアやイノベーションを追い求めて努力する、先進的な考えを持つ若い人たちと協力することをとても嬉しく思います。当社は農業分野で100年の実績があります。今後の可能性や、宇宙ステーションで植物を育てて繁殖させるという究極の目標を達成する方法を探究することは、心の踊るようなチャレンジだと思います。」


植物栽培に対する理解を深める画期的な研究プロジェクト

地球における通常の重力条件下では、植物は挿し木で繁殖させることができます。根や葉がこれらの挿し木から出て、成長していきます。根は地球の中心、つまり重力の方向へ向かって成長しますが、対照的に芽は光源である太陽へ向かって伸びていきます。

微小重力でも植物の繁殖に挿し木が使えるのであれば、長期の宇宙飛行、例えば火星への飛行の際に宇宙農業によって食料を供給するという取り組みへの、大きな一歩を踏み出すこととなるでしょう。しかし、これまで微小重力下で行われてきた実験では、苗の根の成長の研究に重点が置かれていました。苗とは対照的に、挿し木は根系を持っていません。今回の実験で生徒たちが答えを見出そうとしている、「挿し木は重力の誘導なしで根系を成長させることができるのか」という問いはシンプルですが、画期的なものです。


実験の準備をBASFの殺菌剤研究がサポート

実験を成功させるため、学生たちによる研究チームは現在、ISSに適した実験を計画しています。BASFは30日間のISS環境で植物を健康に保ち、真菌病にかからないようにするための知識を提供しています。学生たちは、フロリダにあるケネディ宇宙センターの実験室で試験を実施する前に、ドイツのリンブルガーホーフにあるBASFの農業研究所で専門家たちによるインターンシップに参加する予定です。

今回のプロジェクトは、NanoRacks社とのSpace Act Agreementを介してNASAの教育プログラムに採用されるドイツ初の学生プロジェクトです。


エーディト・シュタイン・スクールについて
エーディト・シュタイン・スクール・ラーベンスブルク&アウレンドルフは20を超えるさまざまな種類の教育プログラムを行っている職業訓練学校です。エーディト・シュタイン・スクールには約2,000人の生徒と140以上の教員がおり、数年前、世界各地の9,000校が加盟するユネスコ・スクールの1つとなりました。教員チームが“Jugend forscht”のような科学コンテストへの出場に向け、才能ある生徒たちをサポートしており、近年では国家でも最高レベルに入るような大成功を収めています。エーディト・シュタイン・スクールに関する詳細は、www.ess-rv.deをご覧ください。


BASF の農薬事業部
2014 年に約 54 億ユーロの売上げを計上した BASF の農薬事業部は、農薬や種子処理、生物的防除において革新的なソリューションを提供しています。その他、水、栄養、植物の環境ストレスに対するソリューションも提供しています。その製品ポートフォリオには、芝生管理や園芸分野、害虫駆除および公衆衛生に利用可能な製品も含まれます。 BASF の農薬事業部は、市場を牽引するイノベータ―となり、農業生産を最適化し、事業効率を改善し、拡大する世界人口の生活の質の向上を目標に掲げています。詳細情報に関しては、 www.agro.basf.com または、ソーシャルメディアをご参照下さい。


BASF について
BASF (ビーエーエスエフ)は 2015 年、創立 150 周年を迎え、これまで以上に化学でいい関係をつくっていきます。製品ラインは、化学品、プラスチック、高性能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたっています。 BASF は、世界をリードする化学会社として、経済的な成功、社会的責任、そして環境保護を同時に実現しています。また、 BASF は科学とイノベーションを通して現代社会や将来のニーズを提示しながら、ほぼすべての産業のお客様を支援しています。 BASF の製品とソリューションは、資源の確保に貢献し、栄養価の高い食品を提供するとともに、生活の質の向上に寄与しています。 BASF は「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」を企業目標に掲げ、これらの活動を実施しています。 2014 年の売上は約 740 億ユーロで、従業員数は約 11 万 3000 人です。 www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.japan.basf.com(日本語)をご覧ください。

P-15-232

NASAの教育プログラムに初めて採用された、ドイツの学生によるプロジェクト。エーディト・シュタイン・スクールに通う学生たち。(マリア・コッホ氏、ラファエル・シリング氏、デイヴィット・ジェレイ氏)

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最終更新May 26, 2015