Boortmalt社とBASF、気候変動対応農業の促進に向け提携
この資料は BASF本社(ドイツ)が 2022年7月19日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
- 大麦生産におけるCO2排出量削減と削減認証で初めての提携
- BASFのグローバルカーボンファーミングプログラムの第一歩となる提携でBoortmaltのバリューチェーンの間接的CO2排出量削減目標をサポート
- カーボン認証により、アイルランドの大麦生産者の新たな収入源を創出
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のアグロソリューション事業本部と大麦麦芽の世界的リーディングカンパニーであるBoortmalt社(ボールトモルト、本社:ベルギー アントワープ)は、このほど、アイルランドの大麦生産においてCO2排出量削減のためのプログラムを発表しました。今回の試験的なプロジェクトは、大麦麦芽のバリューチェーン全体を巻き込んだ世界初のもので、アイルランドで選出された50の生産者と共に開始されました。
BoortmaltとBASFは、気候変動対応農業の実践をサポートするツールやプラットフォームを共同で提供しています。これにより、アイルランドの大麦生産者がCO2排出量削減と炭素隔離に取り組み、気候変動対策に貢献できるようにします。
Boortmaltは、生産者との商業活動を通じて、BASFのGlobal Carbon Farming Program(グローバルカーボンファーミングプログラム)*1 の一環として生産者が実施し関連データを管理できるイノベーションを推奨します。また、BASFは、xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)*2によるデジタルプラットフォームを開発しています。このプラットフォームは、Gold Standard(ゴールドスタンダード)など、世界の主要カーボン認証団体の要件を満たすために、必要な全てのデータをまとめることを目指しています。これにより、アイルランドの大麦生産者は自由に取引できるカーボン認証を得ることができ、持続可能な農業運営のための、さらなる収入源を創出することができます。
2023年中に最初の結果報告がまとめられる予定で、報告内容によりアイルランド国内の他の生産者や他国での類似のプロジェクトが検討されます。
今回の試みは、参加した生産者が農業運営におけるCO2排出を削減することへの経済的なインセンティブとして、カーボン認証の取得を支援することを目的としています。Boortmaltは、低炭素で生産された大麦と共にこのカーボン認証を購入することで、バリューチェーンにおけるCO2排出量を削減する計画です。持続可能な方法で生産された大麦は、アイルランド南東部で行われていて複数の賞を受賞しているウィスキープロジェクト、Waterford Distillery(ウォーターフォード・ディスティラリー)にて、CO2排出量を削減したウィスキー製造に使われます。
BASFのレギュラトリー・サステナビリティ・パブリックアフェアーズのシニア・バイス・プレジデントであるディルク・フォエステは次のように述べています。「気候変動対応農業の実践やCO2排出量削減といった農業のあり方において、気候変動への悪影響を軽減していくことができます。BoortmaltとBASFの協業により、気候変動への悪影響の軽減と農業で価値を生み出すことは両立できるということがわかっていただけると思います。これは、先日発表した、BASFのGlobal Carbon Farming Programの大きな第一歩であり、これからさらに進めていけるものと考えています。」
Boortmaltのサステナビリティ・サプライチェーン最高責任者であるインゲ・ド・ウィン氏は次のように述べています。「Boortmaltはバリューチェーンにおけるスコープ3*3排出量の削減に向けて継続的に活動していきます。BASFは、生産者が持続可能な方法で収量を増やし、CO2排出量を削減し、作物の質を向上させるための助けとなるイノベーションを共にもたらしていくパートナーです。」
両社は、生産者の農業運営におけるCO2削減を支援するという大きな目標を掲げています。BASFのアグロソリューション事業本部は、2030年までに持続可能な農業を促進することを約束しており*4、その目標の一つとして、生産者が生産作物1トンあたりのCO2排出量を30%削減することを掲げています。Boortmaltは、2030年までに農業サプライチェーンからのスコープ3排出量の30%削減達成を約束しています。
*1 https://www.basf.com/global/en/media/news-releases/2021/12/p-21-397.html
*2 xarvio® FIELD MANAGERの詳細についてはこちらhttps://www.xarvio-japan.jp/をご覧ください。
*3 スコープ3とは、報告組織が所有または管理していない資産からの活動の結果であるものの、
その組織がバリューチェーンに間接的に影響を及ぼす排出のことです。詳細については、こちらをご参照ください。https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html
*4 https://www.basf.com/global/en/media/news-releases/2020/11/p-20-365.html
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
■xarvio®デジタル農業について(BASFデジタルファーミング社のブランド)
xarvio®(ザルビオ)は生産者が最も効率的かつ持続可能な方法で作物を生産できるように、各圃場の状況に応じたリコメンデーションを提供する作物モデルプラットフォームに基づいた最先端のデジタルソリューションです。xarvio®は、圃場を管理する「FIELD MANAGER」、病害虫雑草を画像診断する「SCOUNTING」、「HEALTHY FIELDS」から成り、100カ国以上の生産者に使用されています。「FIELD MANAGER」は世界18カ国で90,000人の生産者(総面積1,200万ha以上)が使用し、「SCOUTING」は700万回ダウンロードされています。xarvio®についての詳細はhttps://www.xarvio.com/jp/ja.htmlをご参照ください。
■Boortmaltについて
Boortmaltは、300万トンの生産能力を持つ世界有数の麦芽製造会社です。グループは5つの大陸で27か所の工場を所有しています。 Boortmaltの専門性は、醸造、蒸留、食品の各業界で広く知られるところです。Boortmaltは持続可能性に関する明確なビジョンを持っており、それに沿って、環境にやさしく、地域社会に有益な、地元での調達を通じて農業方法論の継続的な改善を促進しています。Boortmaltは、SBTイニシアチブにコミットしています。さらに、一つの農場からの原料に限定するという独自の方法でWaterford Distilleryと提携しています。穀物からガラスまで、サプライチェーン全体で土壌の健康、穀物の品質、気候の回復力の向上を目指しています。詳細については、https://www.boortmalt.com/をご覧ください。
■BASFのアグロソリューション事業本部について
環境への影響を減らすと同時に、急速に増加する人口に対して、健康的で手頃な価格の食料を十分に共有するには、農業が不可欠です。提携パートナーや農業の専門家と協力し、持続可能性の基準をあらゆるビジネスでの意思決定に統合することで、生産者が持続可能な農業にプラスの影響を与えるお手伝いをします。そのために、革新的な思考と現場での実践的な行動とを結びつける強力な研究開発パイプラインに投資しています。当社のポートフォリオは、種子、厳選された苗の形質、化学的および生物学的な作物保護、土壌管理、植物の健康、害虫防除およびデジタル農業のためのソリューションで構成されています。ラボ、フィールド、オフィス、生産の専門家チームと共に、農家、農業、未来の世代の人々のために、成功のための適切なバランスを見つけたいと考えています。2021年の売上高は82億ユーロでした。アグロソリューション事業部についての詳細はhttps://agriculture.basf.com/jp/ja.htmlまたは各種ソーシャルメディアをご参照ください。
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