Trade News | May 9, 2021

Joint News Release

BASFとUmicore、特許クロスライセンス契約を締結

この資料は BASF本社(ドイツ)が 2021年5月4日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが 日本語に翻訳・編集したものです。

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)とUmicore(本社:ベルギー ブリュッセル)は、NMC(ニッケル、マンガン、コバルト酸リチウム)、NCA(ニッケル、コバルト、アルミニウム酸リチウム)、NMCA(ニッケル、マンガン、コバルト、アルミニウム酸リチウム)、およびHE NCM(リチウム及びマンガンリッチ高エネルギー正極材)などを含む、多様な正極材とその前駆体を対象とする非独占的特許クロスライセンス契約を締結しました。

正極材は、最新のe-モビリティなどの用途に使用されるリチウムイオン電池の性能、安全性の向上およびコスト削減に欠かせない材料です。前駆体と正極材の相互作用およびこれらの材料の開発は、電池性能の最大化にあたって極めて重要です。BASFとUmicoreは長年にわたり、低・中・高ニッケル系の前駆体と正極材の製品イノベーションに集中的に投資してきました。その結果、両社が所有する大規模な特許ポートフォリオは、概ね補完しあう内容となっています。

BASFとUmicoreは、お客様の技術的ニーズに対応するため、製品テクノロジーへの両社の強力な専門知識を基に、化学組成、粒子形状、化学的安定性といった機能に関連する、知的財産権によって保護された様々な技術の組み合わせを可能にする画期的な特許契約を締結しました。この契約により、電池とその応用製品分野で、自社素材のカスタマイズ能力が向上し、一層多様化・複雑化するお客様のニーズに応えることができます。さらに、両社にとって本契約は、電池メーカーとその顧客のために、透明性を向上させ、知的財産権リスクを低減しながら製品開発をさらに加速することを可能にするものであり、エネルギー密度、安全性、コストなど、e-モビリティが直面する主要課題に取り組む姿勢を示すものです。

今回の契約は、欧州、米国、中国、韓国および日本で出願された100件以上の特許ファミリーが対象となります。両社は、将来、第三者に対して自己の知的財産権を行使する権利を留保しています。

BASFの触媒事業本部プレジデントであるDr. ペーター・シューマッハーは次のように述べています。「今回のUmicoreとの契約により、電池メーカーや自動車会社をはじめとする当社のお客様のため、より迅速で持続可能かつ革新的な電池材料の開発が可能になります。電池材料の継続的な開発は、完全なる電動化への転換を加速し、気候変動と闘う世界的な取り組みを支えていくでしょう。」

UmicoreのCEOであるマーク・グリンバーグは、次のように述べています。「今回のBASFとの契約は、正極材のイノベーション促進における重要な一歩です。本契約により、当社テクノロジーの位置付けが強化され、電池および自動車業界のお客様の非常に厳しい性能・品質基準を満たす、カスタム仕様のソリューション開発能力がさらに向上します。」

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFの触媒事業本部について

BASFの触媒事業本部は、環境触媒とプロセス触媒の世界的なリーディング・サプライヤーです。同事業本部は、私たちが呼吸する大気の保護、生活を支える燃料の製造、先進のバッテリー材料などを含む多岐にわたる化学品やプラスチックの効率的な生産を支える技術開発で卓越した専門知識を提供します。BASFの業界をリードする研究開発プラットフォーム、技術開発への情熱、貴金属とベースメタルへの深い知識を活用することで、触媒事業本部は独自のソリューションを開発し、顧客の成功をサポートしています。BASFの触媒事業本部についての詳細は、http://www.catalysts.basf.comをご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で110,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2020 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

■Umicoreについて

Umicoreは素材の加工・リサイクル事業を行うグローバル企業であり、特定の応用分野における材料科学、化学、冶金学の専門的知見の活用により、独自の地位を築いています。その事業は、触媒、エネルギー ・表面処理技術、リサイクル事業の3つのグループから構成されています。各グループはそれぞれの市場に特化したビジネス・ユニットに分かれており、日々の生活に欠かせない素材やソリューションを最先端の技術で開発し、提供しています。

Umicoreは、収益の大部分を生み出すクリーンモビリティ材料とリサイクルにその研究開発活動の大半を割いています。企業理念である「Materials for a better life」に基づく材料の開発・製造・リサイクルを通じて、最大の目標である持続可能な価値創造の実現を目指しています。

全世界に生産、営業および研究開発の拠点を有しており、世界規模でお客様に最適なサービスを提供しています。グループ全体の2020年の売上高は207億ユーロ(金属を除くと32億ユーロ)であり、現在の従業員数は10,800人です。

 

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BASFドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンにあるラボでの、高性能電池材料の研究
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最終更新May 9, 2021