April 15, 2020

BASFとHengstがUltramid® Structure LFXを使用した再利用可能なスピンオンオイル式フィルターを開発

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2020年3月4日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

  • 再利用とリサイクルが可能、かつ軽量なHengstの「Blue.on」がサステナビリティにおけるスタンダードに
  • ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州のイノベーション賞を受賞

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)とHengst社(ヘングスト、本社:ドイツ)は、世界初となる再利用可能な自動車用樹脂製スピンオン式オイルフィルターモジュール「Blue.on」を開発しました。「Blue.on」はフィルター交換時にモジュールを取り換える必要がないため、従来の金属製に代わるサステナブルなスピンオンモジュールです。このオイルフィルターにはBASFの高性能ガラス長繊維強化樹脂であるUltramid® Structure LFXが使用されており、様々な優れた特性により金属の代替となる新しい  ソリューションを提供しています。「Blue.on」は、自動車業界において主要な課題であるオイルフィルター交換に対するソリューションです。毎年約20億のオイルフィルターが交換、廃棄されています。オイル交換時にはフィルターユニット全体を交換することになり、残油は有害廃棄物として処理され、大量の廃棄物が発生しています。

Ultramid® Structure LFX がもたらす変化

この新しいモジュール「Blue.on」は、大手自動車メーカーで採用されています。フィルターハウジング、エンジンへの接続エレメント、フィルターエレメントの3つのコンポーネントで構成されています。オイル交換時にはフィルターのみを交換できるため、樹脂製のモジュールはエンジンの耐用年数まで使用できます。自動車のライフサイクルの最終段階では、すべてのコンポーネントをほぼ完全にリサイクルできます。さらに、金属製のモジュールと比較して23%の軽量化にも貢献します。

高い負荷がかかる部品に対するサステナブルな解決策が、Ultramid® Structure A3WG12 LFXによって実現されました。BASFのUltramid® Structureグレードは特殊な特性を持ったガラス長繊維強化ポリアミドで、高温での機械的特性に加え、寸法安定性に優れています。ガラス繊維が長いため繊維配向が安定し、射出成形プロセスにおいてパーツ内で3Dネットワークを形成し、非常に良好な表面品質が得られることにより、スピンオンの概念を革新的なものにしています。

パートナーシップが成功への道を開く

「金属製ハウジングと同等の性能をもちながら省資源である製品の開発をHengstから提案されました。BASFは、サステナビリティを中心とした総合エンジニアリングパッケージと材料開発により、開発プロセスを建設的に支援しました」と、BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部 シニア・キー・アカウント・マネージャー、 クリスティアン・ジャネバは述べています。

プラスチック工学のアドバイスと部品テストに続き、BASFのシミュレーションツールであるUltrasim®が採用されました。「開発には多くの時間がかかりましたが、その結果は非常に納得できるものです」とHengstのMichael Böhm(ミヒャエル・ベーム)氏は述べています。「革新的な技術コンポーネントだけでなく、自動車産業とドライバーにとって持続可能なソリューションを見つけることに、パートナー全員が情熱をもって取り組みました。BASFが持つ、プラスチックの総合的なノウハウに基づいた数々の試験や試行が良い結果に結びつきました。」「Blue.on」は、量産開始前の2018年に、ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州のイノベーション賞を受賞しています。

BASFのUltramid®ソリューションの詳細については、www.ultramid-structure.basf.com (英語)をご覧ください。

Hengstの詳細については、www.hengst.com(英語)をご覧下さい。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2019年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、世界で60.6億ユーロの売上高を達成しました。詳細に関しては、 www.plastics.basf.com をご覧ください。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で117,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2019 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

BASF and Hengst have developed the world’s first reusable plastic spin-on oil filter module for cars. Blue.on is the sustainable alternative to conventional spin-on modules made from metal, since it does not need to be replaced during filter change. It is made from Ultramid® Structure LFX, a long glass fiber-reinforced high-performance plastic from BASF whose specific properties provide new opportunities for metal substitution. Photo: BASF 2020

Ultramid® Structure LFXを使用した、再利用可能なスピンオンオイル式フィルター
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最終更新April 15, 2020