BASF、2019年の自動車のカラーレポートを発表: ホワイトが依然として優勢
(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2020年1月15日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
- ホワイトはわずかに減少しているものの首位を維持
- 全体的なカラー分布は、SUVにも当てはまる
- 一般的に、小型車の方がカラフルな傾向
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のコーティングス事業本部は、「BASF自動車用OEM塗料カラーレポート2019」を1月15日に発表しました。データ分析を通じて、世界中で製造された車の約39%がホワイトに塗装されていることがわかりました。この数字の背景には興味深い変化があり、ホワイトはどの地域でも最も人気のある色ですが、地域的な分布には顕著な違いがあります。アジア太平洋地域では2台に1台がホワイトに塗装されていますが、北米およびヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)地域では3台に1台がこの色で塗装されています。
その他の無彩色 (ブラック、グレー、シルバー)は、次に人気のある3色です。これらを合わせると、2019年に製造された車の39%を占めています。この傾向は、最も人気のある自動車セグメントであるSUVにも見られます。しかし、世界にはブラックやホワイトの車だけではありません。2019年の世界の新車のうち、残りの22%は有彩色で塗装され、約9%はブルーで、7%はレッドでした。各色の比率は、自動車の所有と個性表現に対する感情的な動機を表しています。BASFでも、デザイナーたちは独自の顔料、エフェクトや革新的な技術を用いて、深みのある鮮やかな色合いを生み出しています。
サブコンパクトカーやその他の小型自動車の色は、より多彩な傾向があります。ブルーやレッド以外に、ブラウンとベージュが、特にEMEA地域で人気が出始めています。
EMEA:ホワイトは減少、グレーが増加し、ベージュが急上昇
全体的に最も人気のある色のホワイトの割合はわずかに減少したものの、EMEA地域を走る車は無彩色が77%を占めています。シルバーの人気は低下していますが、グレーは市場シェアの20%を占め、引き続き人気があります。有彩色の自動車はわずかですが増加しており、ヨーロッパでは4台に1台の車が有彩色で塗られています。この セグメントでは、依然としてブルーが11%のシェアを達成し首位を走っています。EMEAでは、約160種類の色が見られ、カラーダイバーシティにおいて先駆的な存在となっています。ベージュが2%のシェアを獲得し、初めて数字として現れました。「よりソフトで親しみやすい外観へのニーズから、ベージュの人気は高まっていますが、最終消費者に受け入れられるためには、モダンで魅力的でなければなりません」と、オートモーティブカラーデザインEMEAの責任者であるマーク・グートヤールは述べています。
エフェクトは、自動車の形状を強調し、特別な外観を提供する重要なデザイン要素です。そこで、エフェクトのある色を深く分析しました。特に濃い色は、エフェクト顔料が使用されることが多く、ホワイトは、主にソリッドです。さらに、有彩色のカラーパレットにおいても、エフェクトのあるカラーが高いシェアを持つことがわかりました。
北米:ホワイトは依然として首位を走るが、変化している
北米では、ホワイト、ブラック、シルバー、グレーなどの無彩色の車が多く、世界的な傾向と同様に、市場の77%を占めています。一方で、最も人気のあるホワイトは全体の分布の29%と、世界的な傾向と比べると色分布はよりバランスがとれています。北米市場の、特に高級車や電気自動車では、黄味がかった暖色系のホワイトから、青みがかり、かつパール質感の寒色系のホワイトへの移行が進んでいます。
さらに北米は、ピックアップトラックの人気で世界をリードしています。ピックアップトラックは、実用的な道具から、高級な乗り物へとシフトしています。深みのあるブラックがトレンドとなっており、ホワイトは38%、11%という比較的高いシェアを持つレッドの人気があります。「これらは、あなたがたのお父さんの時代のピックアップトラックではありません。ピックアップトラックは高級な乗り物であり、高級車市場のデザインで使われている色を採用しています」と、オートモーティブカラーデザイン 北米の責任者であるポール・チョーニーは述べています。
アジア太平洋地域:個性の強い色は増加しているが、いまだホワイトが優勢
アジア太平洋地域のほとんどの自動車は無彩色で、全体に占める割合は77%で、ほとんど変化はありませんでした。約2台に1台がホワイトで、49%を占めており、これは全世界で最も高い割合です。パールホワイトは特に人気があります。一方、ブラックは他の地域に比べるとシェアは低いですが、スポーティーで個性的な色彩表現として注目されています。有彩色の多様な色合い、色調、エフェクトは、アジア太平洋地域に特有のものです。その中でも、電気自動車によく見られるブルーが7%でトップ、レッドが6%と続いています。
「ブルーとホワイトは、清らかさ、純粋さや持続可能なデザインのイメージを表しています」と、オートモーティブカラーデザイン アジア太平洋の責任者である松原千春は述べています。アジア太平洋諸国の自動車の購入者は、より高いデザイン性と個性を求めています。「グレーは電気自動車にとって重要な役割を果たしており、半透明や絹のような独特のエフェクトが、カーシェアリングや自動運転車を含む新しいコネクテッドテクノロジーに、未来的なイメージを加えます。新しい電気自動車は、自動車業界全体に新しい価値とカラーデザインをもたらしています。」
南米:人気色であるホワイトとレッド
ホワイトは南米の消費者の間で依然として人気の色で、39%の市場シェアを獲得しており、この傾向はここ数年続いています。「2010年初頭にテクノロジーに結び付いた色として、ホワイトが携帯電話やその他のガジェットに使用されたことから人気が始まり、現在ではホワイトは空気と水の清潔さと純度、そして環境保護とリンクしている“環境色”の側面を有しています」 とBASF 南アメリカ オートモーティブ・コーティングス ディレクターであるマルコス・フェルナンデスは述べています。その他の無彩色も人気であり、シルバーが23%、グレーが14%を占めています。ブラックは市場シェアの11%を占めていますが、南米での人気は世界の16%に比べて低くなっています。
有彩色では、8%のレッドが一番の人気であり、ブルー、ベージュが続きます。「レッドは、自動車販売において長い間存在感を持ち、鮮やかな色であり、スポーティーさと美しさをイメージさせます。また、中古車買い取りにおいてもその価値を維持しやすくなっています」とフェルナンデスは述べています。
BASF自動車用OEM塗料カラーレポートは、BASFのコーティングス事業部が2019年の世界の自動車生産と乗用車への塗料適用に基づいて行ったデータ分析結果を示したものです。
BASFのコーティングス事業本部について
BASFのコーティングス事業本部は、革新的な自動車用塗料、自動車補修用塗料、装飾用塗料、メタル、プラスチック、ガラス基板など幅広い産業での表面処理およびそれらの応用に必要なプロセスの開発、生産、販売を行っています。これらのポートフォリオは、新しい市場や事業開発を目指すInnovation Beyond Paint(塗料を超えたイノベーション)プログラムによって提供してまいります。BASFは、ヨーロッパ、北米、南米、アジア太平洋に拠点があります。広範なネットワークを通じて、世界中のお客様と緊密に連携しています。2018年におけるBASFコーティングス事業部の世界の売上高は38.6億ユーロでした。
Solutions beyond your imagination(想像をはるかに超えたソリューション)。BASFコーティングスの詳細情報はwww.basf-coatings.com (英語)、www.basf.co.jp/coatings (日本語)をご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018年のBASFの売上高は約630億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。