BASFの光安定剤、オイルフェンスの強い太陽光による劣化を保護
(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2019年5月28日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
- 添加剤パッケージが、過酷な気象条件におけるオイルフェンスの長期的な保護に寄与
- 耐久性の向上による環境負荷の低減とコストの削減
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)の光安定剤は、海洋のオイルフェンス(別名 油吸着ブーム)を強い太陽光下でも長持ちさせ、油流出の制御に寄与します。韓国のWonpoong社は、BASFのプラスチック添加剤であるTinuvin®を使用することで、オイルフェンスの寿命を延ばし、メンテナンスコストと環境への影響を低減しています。
油吸着ブームは、最小限のメンテナンスで長期の耐用年数のために設計された、オイルフェンスです。オイルフェンスは、海洋向けのグレードの部品と耐油性のある布地でできているため、流出油回収の間、水に浮いて油を含むことができます。これにより、海岸線などの資源を汚染する可能性が減り、復旧を容易にします。
フェンス布は、通常、耐摩耗性および耐裂傷性を向上させるため、ポリウレタンを含浸させた織布ポリエステルで作られます。布の色はオレンジで、布の寿命を縮める長時間の紫外線および炭化水素暴露からの保護を必要とします。
BASFのアジア太平洋地域のパフォーマンスケミカルズ事業本部担当シニア・バイスプレジデントを務めるハーマン・アルトフは、「光安定剤は、屋外用途に使用されるプラスチック製品の光学的および機械的特性の損失を低減し、大幅に遅らせます」と述べています。「当社の光安定剤は、製品の耐用年数を数倍に延ばすと同時に製品の経年劣化による資源消費を低減することができます。」
Wonpoong社 は、発泡体を充填したオイルフェンスを製造するために、PVC(ポリ塩化ビニル)とTPU(熱可塑性ポリウレタン)の混合物を採用しましたが、TPUはPVCに比べて耐摩耗性や柔軟性に優れているものの、耐光性が低いため変色しやすいという欠点があります。
「PVCの耐薬品性を強化し、TPUの耐光性を高める必要がありました」とWonpoong社の研究開発部門ディレクターのジョン・ユー氏は述べています。「結果として、材料の元の外観と物理的特性を維持することができる、紫外線に対する耐性が改善された光安定剤が必要でした。」
これを解決するため、PVC/PURのようなPVCアロイに最適なBASFのTinuvin® シリーズの光安定剤パッケージが採用されました。この高性能光安定剤は立体的なヒンダードアミン系光安定剤(HALS)の化合物に基づいています。ヒンダードアミンはビタミンCが人体を保護する方法と同じように作用、つまり劣化因子(ラジカル)を捕捉し無害化します。この保護効果の持続時間は、安定剤の選択により制御することができます。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
BASFのプラスチック添加剤について
BASFはプラスチック添加剤を製造するリーディングサプライヤーであり、この分野におけるイノベーションパートナーでもあります。BASFの包括的かつ革新的な製品ポートフォリオには、各種ポリマーおよび成形品、フィルム、繊維、シート、押出成形品などの用途において加工安定性、耐熱性、耐光性を向上する安定剤などがあります。プラスチック添加剤に関する詳細につきましては、http://www.plasticadditives.basf.com をご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018年のBASFの売上高は約630億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。